「あごだし明太子」開発の裏側とは?

「あごだし明太子」開発の裏側とは?

あごだし明太子」開発

商品開発ストーリー
試作品はNo8まで。1年がかりで仕上げた特製調味液で作る
「あごだし明太子」開発の裏側とは?開発を手掛けた林田氏に聞く

地元の盛り上がりを目指して

チョーコー醤油と、大洋食品が共同で初めて作ったのは、あごだし味付けのり。この味付けのりの調味液開発の実績があり、 10年ほど前に明太子の調味液開発がスタートしました。

「明太子」といえば、御存知の通り、福岡県の名産品。同じ九州地方ということもあり、「長崎の明太子」と売り出しても、 なかなか特徴も反響もありませんでした。そこで、長崎ならではの明太子を!と考え、地元のチョーコー醤油とタッグを組み、 長崎ならではの「焼き飛魚(あご)」を使った、「あごだし明太子」を作ろうと考えたのが約10年前の話です。

長工醤油味噌協同組合 技術部研究開発課 林田氏長工醤油味噌協同組合 技術部研究開発課 林田氏

あごだしの歴史

今では認知度が上がり、かつお節や昆布、椎茸や煮干しなどと並ぶほどとなりつつある、「あごだし」ですが、 あごだしの人気が全国的に高まり、定番化されてきたのは、今から5~6年前と、わりと最近のことです。
しかし、チョーコー醤油の定番商品、「飛魚(あご)つゆ」の発売は、2001年のことで、なんと20年以上も前からある人気商品です。 チョーコー醤油は、「あごだしの先駆者」と言っても過言ではありません。

醤油屋なのに醤油が使えない!?

チョーコー醤油に調味液の開発を依頼しておきながら、なんと調味液に醤油の使用はNGでした。ちょっとびっくりする話ですよね。 実は、明太子を製造している、大洋食品長崎工場では、アレルギーを含む食材を一切使用していません。
そのため、他製品への混入を防ぐため、あごだし明太子開発の際にも、アレルギー物質にあたる醤油(大豆、小麦)の使用はNGとしたのです。
チョーコー醤油自慢の醤油を使えない。明太子と掛け合わせた開発実績もゼロ。 明太子の調味液開発は手探り状態からのスタートでした。

あごだし明太子

製品開発の課題点

調味液開発に先立ち、決まっていたことは長崎ならではの「焼き飛魚」を使うこと。
しかし、それが難題でした。「あご(とびうお)」は、カツオなどの他の出汁と比べると、香りや風味が控えめ。インパクトの強い明太子と合わせると、 明太子の味ばかりが引き立ってしまいました。あごには上品な風味と美味しさがあるのですが、明太子よりも風味を引き立たせようとして、多めに使うと、 今度は生臭くなってしまうという結果に。
とにかく味のバランスの調整が大変でした。明太子ならではの辛味と、旨味。また、大洋食品へは、調味液として納品するため、 濃縮具合の調整も繰り返し行いました。こういった美味しさの部分だけではなく、賞味期限や漬け込む明太子の量、実際に使用する樽の大きさ、 1回の仕込み量などとの兼ね合いも考慮し、両社の調整が必要とされました。
何度も何度も調整を重ね、試作品はNo8となり、1年がかりで調味液が開発され、今の美味しい味が完成しました。

開発担当者のおすすめの食べ方

あごだし明太子はそのままではもちろん、海苔を散らしてマイルドな味わいにする食べ方もおすすめです。 定番の卵かけご飯にトッピングすると、卵の甘さとあごだし明太子の辛さが最高ですし、納豆ご飯にトッピングするのも、好きな食べ方です。 食べる直前にすこし炙るのもおすすめ。ぜひいろいろな食べ方で美味しく召し上がってくださいね。

開発、販売から10年経って思うこと

開発、販売がスタートして、10年。通販での販売が多いため、店頭で並んでいることは少ないのですが、 チョーコーのロゴの入った黒い高級感のあるパッケージを店頭で見つけると長年愛される製品に成長して良かったなと、嬉しい気持ちになります。
今後も間違いのない製品づくりに貢献していけたらと思います。

集合写真手前左から長工醤油味噌協同組合 技術部研究開発課 林田氏、大洋食品 坂本
後列左から大洋食品 黒川、大洋食品 田中

あごだし明太子のご購入はこちら